ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか──新版でおくる、永遠の名作。解説/高橋良平
★『夏への扉〔新版〕』ここが違う! 『夏への扉〔新版〕』は、2010年刊の〔新装版〕から、訳語、表現などがアップデートされた。装幀はジェシカ・タウンゼント『ネバームーア モリガン・クロウの挑戦』(早川書房)などを手がけたまめふく氏。新カバーでは、イラストレーター・まめふく氏による「ぼく」と愛らしい飼い猫ピートが全面にあしらわれた。