新東宝の脚本家関沢新一による娯楽SF映画の脚本!
本書は1950年代後半から60年代にかけて新東宝・東宝の娯楽映画脚本に健筆を揮い、また作詞家として600曲以上を手掛けた作家・関沢新一氏(1920~1992)が、デビュー間もない昭和31年に監督と脚本を兼任して製作した特撮映画「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の準備稿および決定稿を、当時印刷された台本をもとに採録したものです。
この作品が契機となって関沢氏は後に東宝特撮映画の脚本を数多く手がけることになりましたが、本作は昭和51年の上映会を最後に鑑賞の機会が途絶えており、多くのファンは再評価できるだけの材料を持っていません。
当会は2007年に「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃作品解題」と題する資料性同人誌を発行し、採録した脚本と膨大な周辺情報とを併せ読むことで公開当時の空気を疑似体験し先入観なき再評価を促す試みを行なったことがありました。
それからさらに10年が経ち、日本の初期SFドラマを探求する新たなファンも増えてきましたが、同作品の鑑賞機会は未だ得られていません。
そこで今一度「空飛ぶ円盤恐怖の襲撃」の脚本を復刻し、研究家諸氏の更なる考察に供するとともに、作品自体の魅力を純粋に愉しんでもらうよう期待して本書を編集したものです。
脚本の掲載にあたっては弁護士を通じて著作権継承者からの許諾を得てあります。
【もくじ】
・準備稿「宇宙の十字架」
円盤あらわる
テレビ塔異常あり
保科博士は生きている?
M87星雲より来たる
前哨戦
保科博士との再会
星の世界から
円盤大空襲
R1号発信す!
勝利は我らに
・決定稿「地球は狙われている」
円盤あらわる
テレビ塔異常あり
怪ロボットあらわる
保科博士は生きている?
保科博士との再会
蹂躙する怪ロボット
星の世界から
円盤大空襲
R1号発信す!
苦い勝利
解説
新書版 114ページ
発行日:2017/12