上篠翔の短歌の特徴はスピードである。
そして、スピード感とスピードとはちがう。
スピード感はスタイルであり、スピードは本質だ。
口語のスピードの快感を存分に味わってほしい。
────藤原龍一郎
透明で狂ってる
繊細で鋭い感性から放たれる、透明で狂ってる言葉達。
心が抉られるが、その快感に恍惚とする。気高く、優しい。
────ART-SCHOOL 木下理樹
【著者プロフィール】
上篠 翔(かみしの・かける)
玲瓏所属。粘菌歌会主催。2018年「エモーショナルきりん大全」で第二回石井僚一賞を受賞。インターネットをやっています。
Twitter:@KamisinOkkk
メール:msb9.xx12@gmail.com
【5首】
アリス お茶もういいよ アリス 泣かないで 薇ほどけば春が終わるよ
っこ って何 生きあいっこするわたしたち朝から氷くちうつしてく
能あるきりんは首を隠す んなわけねーだろ剝きだして生きていくんだ光の荒野
花みたい、それはやさしい揶揄でしたいいよ花ならお墓に似合う
ああみんなねむれずにいてどろみずのあふれる淵の花壇、雨ざらし
新鋭短歌シリーズ
今、若い歌人たちは、どこにいるのだろう。どんな歌が詠まれているのだろう。今、実に多くの若者が現代短歌に集まっている。同人誌、学生短歌、さらにはTwitterまで短歌の場は、爆発的に広がっている。文学フリマのブースには、若者が溢れている。そればかりではない。伝統的な短歌結社も動き始めている。現代短歌は実におもしろい。表現の現在がここにある。「新鋭短歌シリーズ」は、今を詠う歌人のエッセンスを届ける。
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