【目次】
序章 理性はなぜ進化論の問題になるのか
1 なぜ理性なのか
2 理性って何?
3 理性はなぜ進化論の問題になるのか
4 理性の起源がなぜ哲学の問題になるのか
5 本書の構成
第1章 進化と理性の二つの問題
1 五分でわかるダーウィン進化論の基礎
(1) 自然選択の仮想例——シマウマの足の速さ
(2) いくつかの注意
2 自然選択説は人間行動をどう説明するか
(1) つわりの進化
(2) ストリップバーでのチップの額を進化から説明する
3 理性が進化したと考えてよい二つの理由
4 理性が進化したと考えるときに残る二つの問題
第2章 そもそも人間は理性的なのか
1 論理・確率クイズ——なぜこんな問題を間違うのか
2 人間はほんとうに理性的か——四つの回答
〈ボックス① リンダ問題の亜種〉
第3章 理性は本当に進化で有利なのか
1 理性は自然選択で進化する
2 理性は自然選択で進化するとは限らない
3 理性をモデル化すると……やっぱり理性は進化できる
(1) どういうときに理性的に学ぶことが有利になるのか
(2) 推論能力の進化をモデル化する
第4章 どのようなかたちの理性が進化したか
1 人間はどのように理性的か——シンプル・イズ・ラショナル?
〈ボックス②〉 〈テイク・ザ・ベスト〉ヒューリスティックス
2 それではシンプルすぎる
(1)ヒューリスティックスだけでは人間の理性は捉えられない
(2)複雑な世界、あるいは駆け引きの問題
3 一つの脳に二つの理性——二重過程説
(1) 二つのプロセスの性質
(2) 二重過程説への誤解——熟慮的理性を使うことがいつも正しいわけではない
〈ボックス③〉 「理性」と「知能」の区別
4 「熟慮的理性」の進化
(1) 熟慮的理性の基盤としての仮定的思考
(2) 心的リハーサル
(3) 心的リハーサルの利益とコスト
(4) 心的リハーサルの進化——ヒトと類人猿との共通点
(5) ヒトと類人猿との相違点
〈ボックス④〉 理性の議論説
〈ボックス⑤〉ヒト=儀礼する動物?
第5章 科学を生み出した理性
1 狩猟採集民の「科学的」思考
(1) 推測的トラッキング
(2) 擬人化による推論
2 科学的推論の基盤
おわりに