世界初のメイド喫茶批評集。メイド喫茶の成り立ちからオタク文化に与えた影響など。メイド研究者、劇作家、言語学者、メイド喫茶研究者等異色のパーティーでメイド喫茶を斬る。
メイド喫茶には、お店を訪れた人が書くレビューサイトは存在しても、評論や論考は存在せず、これまで本格的に考察の対象となることはほとんどありませんでした。
メイド喫茶は日本特有ののオタク文化として成長し、日本全国のみならず海外にも広がった。オタクたちの地域コミュニティーの場として、あるいは気軽にコスプレした女の子に会いに行ける場として日常生活に少しずつ浸透しつつあるように思えます。
その一方で、メイド喫茶ほど毀誉褒貶が入り混じり、メディアに翻弄されたオタク文化も少ないくないのではないでしょうか。実際のところ、メイド喫茶は多様な広がりを見せています。そこには単に可愛い女の子とおしゃべりができる場所という以上の、何か文化的な余剰のようなものがあります。普通の喫茶店以上に料理や紅茶にこだわっていたり、コスプレに力を入れていたり、世界観やキャラクターを緻密に設定していたりと実に様々です。
そうした多様性が一般の人々に知られることはほぼなく、むしろ悪趣味なまでに誇張され類型化されたメイド喫茶のイメージがメディアを通して流布されていった結果、「クールジャパン」「カワイイ」の代名詞として安易にもてはやされる一方で「オタク向けのキャバクラ」と揶揄され、しかも当のオタク達からさえ非難されるようになってしまいました。
そうした状況を打破したいという思いからつくられた渾身の一冊。
【目次】
状況編
・メイド喫茶、はじめての選び方―メイド喫茶ポジショニングマップ----やん
・THE HISTORY OF MAID CAFE----------------------------------------柴田紗弥佳
論考編
・メイド喫茶の条件------------------------------------------------------岸井大輔
・二・五次元性をめぐって-----------------------------------------------たかとら
エッセイ
・秋葉原のメイドカフェが文化になるには 再考------------------------梅本克
・世界最先端の現場の知恵-----------------------------------------------生天目あかり
and more...
発行:メイド喫茶データバンク
判型:A5版 136ページ