90年代鬼畜系サブカルその成立に至る過程と、中心人物青山正明、村崎百郎の素顔に迫り、そのムーブメントを関係者やその後の世代が再検証総括。
今年2月に行われた要注目イベントの同人誌化。
2023年2月16日、新宿ロフトプラスワンで行われた幻のトークイベント「90年代サブカルチャー大総括~鬼畜系とはなんだったのか」を完全収録。複雑怪奇にして謎多き「鬼畜系」の全貌がここに。
【出演】
平野悠(ロフトプラスワン席亭)
曽根賢(作家・『BURST』(コアマガジン)元編集長)
石丸元章(作家・『speed』『平壌ハイ! 』等)
黒野忍(著述家・『続・危ない薬』等)
虫塚虫蔵(モンド/サブカルチャー研究家。「鬼畜系」Wikipedia主筆者)
好事家ジュネ(YouTuber・「好事家ジュネの館」)
【司会・企画】
鴇田義晴(フリーライター。「村崎百郎論」で「2022すばるクリティーク賞」受賞)
【イベント告知分】
サブカルチャー全盛期の1990年代半ば、鬼畜系というジャンルが存在した。露悪的/バッドテイストな表現をあえて行うことで「スカした」世の中へアンチテーゼを示したのが青山正明と村崎百郎だった。無反省と価値相対化を全面に押し出した「ネタ」は今の時代に批判の対象となり、2021年にはコーネリアス・小山田圭吾の「いじめ記事」問題としても噴出した。果たして90年代鬼畜系サブカルチャーとは何だったのか。今、ここで立ち止まり考えてみたい。
ロフトプラスワンは1995年1月に危ない連中が一同に会した「鬼畜ナイト」が開催された場。そこから約30年を経た2023年の今、ロフト創設者の平野悠、「鬼畜ナイト」参加者の一人である石丸元章、「BURST」元編集長ピスケン、生前の青山、村崎と親交があり表立って語られない晩年を知る黒野忍、さらに20代の若きサブカルチャー研究家の虫塚虫蔵、好事家ジュネを交え「村崎百郎論」の鴇田義晴とともに総括を試みる。あの時代の回顧ばかりではなく、流布する伝説の再検証と解凍、現在地から未来へ繋がる話を目指す。(文責/鴇田義晴)
【収録内容】
1.企画の経緯
2.「配信はやりません」
3.時代を代表するパーティだった「鬼畜ナイト」
4.村崎百郎という衝撃
5.「鬼畜系」は計画的なムーブメントだった
6.サブカルチャーに与えた衝撃、あの一夜の重要性
7.ピスケンから見た80年代/ 90年代
8.「みんな、会社の屋上に行ってアレを吹かしてた」
9.出版バブルにわいた90年代と雑誌の影響力
10.鬼畜系は若者たちの抵抗運動だった
11.『危ない1号』と『危ない28号』の違い
12.若者は時代の傷口
13.『世紀末俱楽部』
14.青山正明の二面性
15.青山正明の最期
16.青山正明と村崎百郎
17.白魔術師としての村崎百郎
18.「何も真実ではない。すべて許されている」
19.村崎百郎の作り話
20.すべては自販機本から始まった
21.少年ゆえの残酷性
22.今後の出版計画
23.青山は読者を「覚醒」させたかった
24.「あのカリスマが目の前で号泣したんです」
25.データハウスの行方
26.有害図書の復刻
27.カオスのような■■コンブーム時代
28.「その解釈、間違ってます」
29.「こんなものがここまで売れたの?」
30.「迷惑系」と「鬼畜系」
31.青山と村崎は「文化の防波堤」だった
32.黄昏は始まったばかりだけど
アフターレポート/反省会
青山さんの大いなる動違い ( 黒野忍 )
90 年代サプカルチャーと迷惑系 Youtuber について ( あかず )
解説ー第を系とひょっこりひょうたん島 ( 鴇田義晴 )