縄文時代にタトゥーはあったのか  ケロッピー前田(著/文)の画像
ISBN:978-4-336-06654-1
出版社:国書刊行会
著者:ケロッピー前田,大島托
出版年:2020/3
版型:四六判並製
ページ数:276
定価:2400円(税別)

縄文時代にタトゥーはあったのか  ケロッピー前田(著/文)

商品説明
【紹介】
菊地成孔氏(音楽家・文筆家)推薦!!

土器や土偶にえがかれた線、円、点、螺旋といった我々を魅了する幾何学的な文様。これらがもしも太古の人体にきざまれていたとしたら――。世界中に残る痕跡をたどり、太古に失われたタトゥーを現代人に彫り込み「モダン・プリミティブズ」へと身体のアップデートを目指す壮大な試み。

【目次】
序章
 戦後何度目かの縄文ブーム!
 世界が求めた縄文時代のタトゥー復興
 「縄文族 JOMON TRIBE」始動
 縄文時代にタトゥーはあったのか
 文様はどこから来て、どこへ行ったのか?

1 アカデミックな世界での縄文タトゥー論争
 高山純『縄文人の入墨』の功績
 縄文の耳飾りはどこから来たのか
 縄文時代の「身体変工/身体改造」
 『魏志倭人伝』の黥面文身
 モースの縄文発見のときからあった謎
 民族例から見えてくる〝縄文タトゥー″の姿
 タトゥーからわかる人類の拡散と文化の伝播

2 北海道縄文遺跡の旅
 なぜ、北海道に縄文リサーチに行ったのか
 再生のシンボリズムで文様を読み解く
 タトゥーにするなら効き目抜群の文様
 真っ白な貝塚に「ゴミ捨て場ではない」と納得
 縄文土器の文様はどのように施されたのか
 タトゥーの道具にもなり得る骨角器の数々
 黒い貝塚と不思議な副葬品
 山と海に恵まれた函館の縄文秘境
 縄文遺跡からのメッセージ

3 岡本太郎から学ぶ縄文
 岡本太郎と縄文土器
 日本美術史は縄文からはじまる
 太陽の塔が伝える縄文の魂
 縄文を探す旅から野生の思考へ
 ケルトと縄文に共通する世界観 

4 「縄文族 JOMON TRIBE 」の全貌
 ブラックワークのスペシャリスト大島托との遭遇
 最も原始的なタトゥーの現場を訪ねて
 民族タトゥーの復興とブラックワークの未来
 九〇年代の世界的なタトゥー流行
 なぜ、縄文人はタトゥーを彫るのか?
 原始的な手彫りと最新のタトゥーマシーン
 アートギャラリーでの展示と海外進出
  メイキング・オブ「縄文族JOMON TRIBE」大島托×ケロッピー前田
  いつかは誰かがやらなきゃいけない〝最初の縄文人(The First Jomon Man)゛の登場

5 パリ、ケ・ブランリ美術館のタトゥー展
 タトゥー人気を象徴する大規模展示
 なぜ、世界的なタトゥーブームが起こったのか?
 古代、すべてのタトゥーをした人たち
 タトゥーマシーン登場と日本の刺青
 民族タトゥーの復興と現代のタトゥー
 アカデミックな世界でタトゥー研究が進んだ理由
 百年前にもあった世界的なタトゥー流行
 夢のタトゥー・ミュージアムが残してくれたもの

6 失われつつあるタトゥー文化を復興せよ!
 ロスで体験したフィリピンの原始的な手彫り
 絶滅寸前の首狩族カリンガのタトゥー
 失われたタトゥー技法と文様を蘇らせる
 本当に人間の首を狩ったナタを持ってみる

7 タトゥー人類学者ラース・クルタク
 原始的なタトゥーを自ら体験する理由
 最も古いタトゥー文化を残しているのはどこか
 ミイラにみられる医療目的のタトゥー

8 タトゥーをしたミイラに会いに行く!
 人類最古の芸術行為は洞窟壁画か、タトゥーか
 皮膚の上に動物たちがひしめくパジリクのミイラ
 アイスマンから学ぶ、古代のタトゥー

終章 縄文タトゥーを復興するのは一万年後の未来のため
 日本にもタトゥーカルチャーの新しい風が吹く
 失われた沖縄のイレズミ文化「ハジチ」
 タトゥーを通して、縄文の文様を世界へ、そして未来へ

あとがき
参考文献

【著者】
ケロッピー前田  (ケロッピーマエダ)  (著/文)
1965年東京生まれ、千葉大学工学部卒、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランスに。世界のアンダーグラウンドカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』(ともに白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。近年は、ハッカー、現代アート、陰謀論などのジャンルにおいても海外情報収集能力を駆使した執筆を展開している。主な著書に、前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』(光文社新書)、ケロッピー前田『クレイジートリップ』(三才ブックス)『クレイジーカルチャー紀行』(角川書店)など。

大島托  (オオシマタク)  (著/文)
タトゥーアーティスト。1993年に世界一周の夢を抱き、最初に訪れたインドでタトゥーと出会い、その後にプロの彫師となる。黒一色の文様を刻むトライバル・タトゥーおよびブラックワークのスペシャリストとして国際的にも高く評価されている。ポリネシア(タヒチ、ニュージーランドなど)を訪ねて部族的文様を学んだ他、ボルネオのイバン族、カリマンタンのダヤク族、スマトラのメンタワイ族、インドのナガ族など、最も原始的な民族タトゥーを残す地域に実際に赴いてリサーチし、それらを再現するばかりでなく、現代的なタトゥーデザインに取り入れて洗練された作品へと昇華させていくクリエイティヴィティの高さには定評がある。
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