目次
おかんアートが日本を救う
1 そこにあるものを使う 断捨離よりも「いつか役に立つ!」
香坂司登美さんのこと
大谷知子さんのこと
西村みどりさんのこと
おかんアートが生まれるところ
2 デザインよりも素材感が大事
おかんアートの風通し
尾本節子さんのこと
3 飾りじゃなくて生活用品 かわいいけれど役にも立ちます
伊藤由紀さんのこと
●野村知広さんのチラシ箱
4 ご利益をあなどるなかれ
千成春屋のブロック折り紙
●道の駅とおかん
5 もうひとつの折り紙宇宙
系谷美千代さんのこと
ブロック折り紙の歴史
●嶋 暎子さんの新聞バッグとコラージュ
6 小さいからかわいい、小さいからたくさんできる
森 敏子さんのこと
●キットと教則本
びんぼう工作と紺野サキコさん
7 おかんにも推しキャラあり
先生の家
●おかんアートの現在・過去・未来
都築響一×山下 香(下町レトロに首っ丈の会)
おわりに
作品リスト
前書きなど
ラブホテルから散らかった部屋まで、「マスメディアには取り上げられないけれど、どこにでもあるもの」をこれまで半生かけて取材してきたけれど、おかんアートもたしかにグッドテイストでも、意識高くもない。でも「世の中の大部分はこっちだ!」という自信は、今回がいちばんある。
「えーっ、これウチのお母ちゃんそっくり!」「うちの実家にもある!」と思うひとが、ずいぶんいるだろう。そう、数えきれないほどのカリスマおかんアーティストが、日本のすみずみにいて、今日も楽しく手を動かしている。だれにも気に留められず、自分でもアーティストだなんて思ってもいないまま。
そういうおかんたちを、「余計なもんばっかりつくって」と上から目線で眺めるか、「なんだかすごく楽しそう!」と下から目線で眺めるかによって、僕ら自身の日々の暮らしも、ずいぶんちがったものになるはずだ。(序文より抜粋)
著者プロフィール
都築 響一 (ツヅキ キョウイチ) (著)
1956年東京生まれ。1976年から1986年まで「POPEYE」「BRUTUS」誌で現代美術・デザイン・都市生活などの記事を担当する。1989年から1992年にかけて、1980年代の世界現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集『アートランダム』を刊行。以来、現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集を続けている。
1993年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』を刊行。1997年、『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』で第23回木村伊兵衛写真賞を受賞。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続けている。2012年より有料週刊メールマガジン『ROADSIDERS’weekly』(http://www.roadsiders.com/)を配信中。近著に『捨てられないTシャツ』(筑摩書房、2017年)、『Neverland Diner 二度と行けないあの店で』(ケンエレブックス、2021年)、『IDOL STYLE』(双葉社、2021年)など。