情報技術の革新は、メディアや産業の構造を根底から変え、超国籍企業を生んで労働と富のグローバル化を加速し、国ぐにの力を殺いだ。ITを基盤としたシステムそのものが権力化するなか、個人もまた、生きかたの変容を迫られている。これから来る世界はいったいどのようなものなのか。そこでわれわれはどう生きていけばいいのか。斯界の第一人者が、テクノロジーの文明史を踏まえて未来の社会像を鮮明に描き出す。
目次
プロローグ 現代-第三の産業革命が起きている
第1部 中世-多くの民族がともに栄えた帝国の時代(かつてヨーロッパは辺境の地だった
なぜ中世の帝国は滅んだのか)
第2部 近代-私たちが「国民」になった時代(「国民」は幻想からやってきた
「民主主義」という栄光
崩壊していく民主主義と国民国家)
第3部 未来-"場"の上でレイヤー化していく世界(すべては"場"に呑み込まれる
レイヤー化する世界
「超国籍企業」が国民国家を終わらせる
新しい世界システムと私たち)